低電圧化でグラフィックボードの消費電力と発熱を改善する

グラフィックボードにミドルクラスのRTX 3070を使用していますが、ミドルクラスとは言え、負荷が掛かるとそれなりの消費電力と発熱があるので、MSI Afterburnerを使用して改善したいと思います。

保証対象外の行為です

オーバークロックや低電圧化は保証対象外の行為であり、最悪、故障の原因にもなります。当然、何かあっても自己責任となります。

環境
RTX 3070
MSI GAMING X TRIO
Afterburner
4.6.4

方法は「最大消費電力の制限」か「低電圧化」

Afterburnerを使用して消費電力と発熱を下げる方法は2種類あります。

  1. Power Limitを調整して最大消費電力を制限する
  2. 低電圧化する

Power Limit を下げる

グラフィックボードの最大消費電力に制限を掛けることで、ピーク負荷時の消費電力や発熱が下がります。ただ、指定した電力制限を超えないようにGPUクロック周波数が調整されるので、パフォーマンスは低下します。とは言っても、以下の記事を拝見するに、そこまでパフォーマンス低下はないようです。

やり方は、Power Limit(%)をスライドさせるだけなので、少々の性能低下を許容できるのであれば、この方法で十分だと言えます。

電圧を下げる

デフォルトの電圧にはある程度のマージンを持たせているようなので、それを調整(低電圧化)します。ただ、個体差があるので、最適解を見つけるのに手間が掛かります。

プロパティ設定

Core Voltage(mV)での電圧調整をしないので、「電圧制御のロック解除」にチェックは入れていません。

Afterburnerプロパティ画面

デフォルト値の確認

Afterburnerを起動します。

起動画面

Afterburner起動画面

上の画面が表示されたら「Ctrl + F」Voltage/Frequency curve editorを起動します。

Voltage/Frequency curve editor

Voltage/Frequency curve editor

デフォルトでは、最大電圧1,250mV、最大クロック2,070MHzでした。

Voltage/Frequency 調整

まずは、700mvを1,000MHz位に合わせる感じで-調整すると良いとの記事に倣って、Afterburner起動画面のCore Clock(MHz)を-240MHzに設定し、「✓」をクリックで反映させます。

次にVoltage/Frecuency curve editorを起動し、850mV(設定時から時間が経っているので細かい数値は失念)ライン上のマーカーを、HP記載のグラフィックボードの最大コアクッロク1,830MHzまで持ち上げました(マウスである程度の数値まで持っていき、キーボードの↑で1単位で調整)。

調整後、editor画面を閉じ、Afterburner起動画面に戻り「✓」をクリックし、設定を反映させます。

Afterburnerで低電圧化

ベンチマークで問題ないか確認

次にFF15ベンチマークを数回したところ、途中で落ちることがあったので、同手順でVoltage/Frecuency curve editorを起動し、950mV/1,830MHzに再調整しました。そうして、ベンチマークを数回したところ、完走することが確認できたのでここで終わりにしました。本当はもっと細かく刻み、複数のベンチでテストをし、最適値を見つけたほうがいいのでしょうが、最大消費電力も発熱量もそれなりに下がったので良しとしました(スコアはデフォルト時より微減)。

最終的にはこちらの記事を参考に

  • プロファイル 1
    • Core Clock(MHz) -151MHz
    • 925mV/1,905MHz
  • プロファイル 2
    • Core Clock(MHz) -226MHz
    • 950mV/1,830MHz

の2種類をプロファイルに保存しました。プロファイル1でも運用に問題はないのですが、一応設定が穏やかなプロファイル2も残しておきました。とは言っても、低電圧化する当たって調べたブログなどを見ると、プロファイル1でもまだ余裕はありそうです。

低電圧化後のcurve editor

おわりに

電圧?レベルの知識からスタートしましたが、簡単な設定(細かい調整までしていない)で十分な効果が得られました。今後、発売されるGeForce RTX 4000シリーズはさらに消費電力が上がると言われているので、今回、保証対象外行為に怯えながらも思い切って挑戦して得た経験が活かせそうです。